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スタジオA24の新作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、通称エブエブ、みなさんはもうご覧になりました?
エヴリンは、トラブルだらけの家族と破産寸前のコインランドリーを抱え、困窮していた。ある日、彼女の前に“別の宇宙から来た”という夫のウェイモンドが現れる。唐突に世界の命運を託されたエヴリンは、夫に導かれ想像もできない壮大な闘いに身を投じる。
というストーリーの作品で、80回ゴールデン・グローブ賞や第95回アカデミー賞で注目されているSFアクションです。マーベル作品でも、自分たちのいる世界(バース)とは別に他の世界が並行して無数に存在する「マルチバース」について触れられることが増えてきましたが、本作品もマルチバースを扱ったもの。
日々の選択によって可能性が枝分かれし、その選択ごとに世界が分岐しているとしたら、どうでしょうか。今の自分とは違う自分である可能性も十分考えられます。エブエブは、そんな可能性と、目の前の世界との向き合いの双方の大切さを伝えてくれる作品でした。
ネタバレにならない範囲で印象に残った点を伝えると、登場人物たちは別の世界の自分の経験を自分に接続して、様々なスキルや能力を使います。そのための条件が「おかしなことをする」なんです。たしかに、自分の常識や普段の行動から外れれば外れるほど、枝分かれした遠くの世界の自分とつながるというのは面白い。それが作中のコミカルな表現にも現れていました。
今の自分の当たり前。それを大きく崩す、外すための行動をどれくらいとるか。それは自分の可能性を広げるためには重要なことなのだと思います。ついつい、人はこれまでの歩みや経験から、予想される選択へと収斂していきがちですが、そこで可能性を狭めないようにしたいなと感じました。
生きている今を否定するわけでもなく、可能性も同時に見据える。このバランスは難しいものではありますが、探究しがいのあるテーマです。
そうそう。ウェイモンド役のキー・ホイ・クァンは、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)、『グーニーズ』(1985)に子役で出演していた俳優だそうで。両作品も好きだった自分にとっては、これも嬉しいポイントでした。
さて、今週もinquire.jpのニュースレターをお届けします。
─モリジュンヤ
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イベントレポート
一般社団法人Deep Care Labによる、ウェルビーイングを探求する対話・実験の学び場『Weのがっこう』において開催された、「わたしと人工物・モノ」というモジュールについてのレポートです。
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