Lookup
もうすぐ、東浩紀さんの新著『訂正可能性の哲学』が刊行されますね。webゲンロンに掲載された「おわりに」を読み、気持ちが高まっています。
哲学とはなにか、と問いながらこの本を書いた。本書の主題である「訂正可能性」は、その問いに対する現時点での回答である。哲学とは、過去の哲学を「訂正」する営みの連鎖であり、ぼくたちはそのようにしてしか「正義」や「真理」や「愛」といった超越的な概念を生きることができない。それが本書の結論だ。
正義なんて本当は存在しない。同じように真理もないし愛もない。自我もないし美もないし自由もないし国家もない。すべてが幻想だ。
みなそれは知っている。にもかかわらず、ほとんどのひとはそれらが存在するかのように行動している。それはなにを意味するのか。人間についての学問というのは、究極的にはすべてこの幻想の機能について考える営みだと思う。
(中略)
それゆえ、ぼくは、いつごろからか、哲学者の使命は、正義や愛について「説明する」ことにあるのではなく、それらの感覚を「変える」ことにあるのだと考えるようになった。それが本書でいう「訂正」である。
現代では、事業性と公益性の両立を目指すプレイヤーも増え、長い時間軸で私たちの責任について考えなくてならなくなっています。そうしたなかで事業活動を行うには、超越的な概念について考え、従来の感覚を変えていくことも必要でしょう。
『訂正可能性の哲学』を通じて、活動していく上でのヒントをいろいろと得られるのではないかと楽しみです。
Update
さて、今週掲載した記事をお知らせします。
この秋、信州大学で「問い」を起点にローカルデザイン思考を学ぶ講座が始まります。講座の狙いや思いを伺った記事を掲載しました。
森林など自然資本を保全するための仕組みへの関心が高まっています。複数社で森林ファンドを組成する動きが日本でも始まりました。
複雑な問題をどう解くか。よく語られるテーマでもありますが、こうした問題へのアプローチの手法のひとつに「システミックデザイン」があります。システミックデザインとはなにか?を伝える記事を掲載しました。
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