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なんらか実現していきたい想いがあり、活動を形にしていくなかで仲間が集まり、法人化して、経済的に成立するように取り組んでいく。個人の想いから立ち上がる活動は尊いものだ。
こうした活動を始め、複数人で経済的な持続性を獲得しようとするフェーズでは、様々な壁が現れる。同じ景色を見ているかと思えばそうではなかったり、誰かに経済的な負担がのしかかったり。
「自分は、こんなことがしたかったのだろうか」と疑問が生じることも珍しくない。こうした困難に直面した際に、自分のモードを決めてしまい、考える変数を減らしてしまうほうが心はすり減らないこともある。
「仕事とはこういうものだ」「稼げなければ持続できない」といった考えの重要度を上げ、それ以外のことは考慮から外すということ。だが、近年はこうしたことに抵抗があったから、自分で活動を始める人が多い。
仲間に人として向き合いたい。稼ぐこと以外の価値にも向き合いたい。そんな価値観を持った人がハードな場面に向き合うと、自分のモードを決めきってしまうことへの葛藤があり、消耗してしまう。
小さくとも法人を経営していくことと、人間らしさや多様な価値を大切にすることの両立はどうしたら安定して実現していけるのか。これは非常に重要なテーマだ。明確な答えがあるわけではないが、今まさに葛藤をしている人たちで学び合う場があると、少しは光明が見えるかもしれない。
inquire / モリジュンヤ
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今日は、4月18日に文春新書から出版された『カウンターエリート』をピックアップ。ニュース解説メディア The HEADLINE 編集長の石田健さんの初の著書です。
世界では、政府やメディア、官僚などを「既得権益化したエリート」として批判するカウンターエリートが支持を集めています。なぜ、こうした動きが起きているのか、どのような流れが折り重なって、事象として表出しているのかを丁寧に解きほぐしている内容です。
アメリカを中心に、世界で起きている様々な事象は、私たちの心や感情から冷静さを奪い、感情的にさせ、安易な思い込みを生じさせようとしています。実際には、物事は本当に複雑で、表層だけに触れて反射的に対応していてはいけないはず。ただ、日々時間が限られるなかで、その複雑さに向き合うことは容易ではありません。
インクワイアは、微力ながらThe HEADLINEの法人サポーターをさせてもらっていまして、同媒体で掲載される記事が丁寧に一つひとつのニュースの背景を紹介してくれることに感謝する読者のひとりでもあります。
本書では、記事で紹介されているような単一のトピックにとどまらず、複数のトピックを扱い、それらの関係を紐解き、一段大きなテーマで捉えられるように視点を提示してくれています。
「専門知とテクノロジーによって世界を世界に説明する」とは、The HEADLINEの運営会社である株式会社リバースタジオが目指すこととして掲げている、私も非常に好きな言葉です。『カウンターエリート』は、世界を世界に説明するための大切な一歩なのだと噛み締めています。
今、世界で起きていることに対しての解像度を上げたいという方は、ぜひ本書を手にとってみてください。そして、The HEADLINEのメンバーシップにも入りましょう。
Update
「人文知」が重要になっていることは今さら言うまでもないことかもしれませんが、大事だと認識することと行動に移すこと、なにかの結果を出すことは別のこと。人文知を社会につなげていくために、研究を支援するアプローチが同時に複数立ち上がりました。こうした取り組みが生まれてきていることには希望を持ちたいですね。
inquire.jpでも以前取材した寄付プラットフォーム「solio」がSBIレオスひふみ株式会社のグループ会社へと事業譲渡されました。想いを持って生まれたサービスが持続した上で、想いを共有できる別の事業者に譲り渡されるというのは、なかなか実現できることではありません。寄付を社会に広げていこうとする、solioのこれからを変わらず応援していきたいと思います。
Information
inquire.jpを運営するインクワイアは、2025年4月16日(水)に開業する世田谷・池尻大橋の複合施設「HOME/WORK VILLAGE(ホームワークヴィレッジ)」に新オフィスを開設することになりました。
この施設は、「次世代からの宿題をみんなで解決する」というコンセプトのもと、世田谷が生活者のまちであること、この場所から仕事をつくっていくこと、この場所がかつて学校であったということ、そんなコンテクストから着想を得た、 HOME(=暮らす)、WORK(=働く)、そしてHOMEWORK(=宿題)という3つのワードをキーに、これからの「暮らす」と「働く」を実践し、発信していく場所です。
inquire.jpとしてもこの場所を拠点のひとつとして、「働く」「遊ぶ」「学ぶ」「暮らす」といったキーワードでの活動を行っていきたいと考えています。配信やオフラインでのイベントなども実施していけたらと考えているので、楽しみにしていてください。
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今回もinquire Letterをお送りしました。しばらく不定期の配信が続きますが、引き続きよろしくお願いいたします。
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